「清水金之助の本」、三度の校正を経て、ようやく印刷までたどりつきました!
6月24日、大型の枚葉活版印刷機による本文の刷り出し立ち会いのため、内外文字印刷さんがよく刷りをお願いしているという、櫻印刷さんに行ってまいりました。
じゃーん! これが組みあがった本文。周囲は解版糸で縛られ、固定されています。
活版の版にはトンボがないため、仕上がりサイズや折りを考えながら、枚葉活版印刷機の上で版を組み付けていきます。
試し刷りをしてはチェック。気さくな櫻印刷の長谷さんですが、刷り物を見る目は鋭く光ります。
今回の本では、もともとは本文に使用する活字を内外文字印刷のモノタイプですべて新しく鋳造する予定でした。ところが、3月11日の大地震の影響でモノタイプが壊れてしまい、手拾いの活字を使用することに。鋳造したタイミングが活字により異なるため、高さが微妙に違っており、文字に濃淡差が。そのムラをなくすために細かく薄紙を貼って圧を調整し、ムラ取りをしてくれました。
白い紙だけでなく、小さくあちこちに貼られている黄色などの紙も、すべてムラ取りのため。
何度もムラ取りを繰り返します。
丹念なムラ取りと試し刷りの後、本刷りへ。こうしてどんどん刷り上がっていきます。
この翌日、25日には、口絵カラーページ(この部分はオフセット印刷)の刷り出し立ち会いに、装幀の名久井さん、編集の津田さんが行ってくれました。幾人もの熟練した職人さんたちの技術が、この一冊の本を形にしてくれています。このあと製本工程を経て、本になります。みなさまにお見せできるまで、あと少し。どうぞ楽しみにお待ちください!